「藻谷 浩介氏」と語る日本
2009年11月05日 | by TAK. KASHIYAMA
「藻谷 浩介」さんの名前をお聞きした事のある方も多いと思いますが、現職は日本政策投資銀行シンガポール法人のシニアアドバイザーであり、またシンガポール政府のアドバイザーも努めておられます。
昭和39年生まれで、東大法学部卒業後、現日本政策投資銀行に入行し、米コロンビア大でMBA取得、その後順調に累進されました。我々にとっては藻谷さんが日本全国を私費で平成の大合併前の3,000を越える市町村を訪問し地域特性や郷土史を学び、まちづくり、観光振興、産業振興、人口成熟論などの諸問題に積極的な提言を行いつつ直近では年間400回以上の講演をこなしていることにまさに驚愕してしまいます。さらにその他の政府審議会、多方面との求めに応じ結果として年間900を越すアポイントで超多忙!!
そして今年4月よりシンガポールに赴任、一年の任期ながら私が思うには超多忙の藻谷さんにとっては、海外から日本を見つめる、そしてアジアの視野で「藻谷理論」を深めるためには良い充電期間でありチャンスと言えましょう。赴任してからこれまた自費でベトナム、タイ、マレーシアを訪問され、更にこれからミャンマーやインド等にも足を運ぶそうです。『虫の眼と鳥の眼』で分析してみると、世界経済が一体化してしまったことで新型インフルエンザの蔓延と同様に昨年来のリーマンショックの連鎖は瞬時に世界を走り、結果幾つかの国が破綻状態を招きました。先進国では我が国日本がもっとも手ひどい後遺症に陥っている中で、国民は政権交代に一縷の望みをかけ雪崩れるように絶対多数を民主党に与える結果となりました。
が、国民が望む、日本の明るい未来は自らが世界を、時代の現実を、足下を、地域をみつめて新たな視点、データで考えなければならないとの決意を藻谷さんは私に与えてくださり貴重な三時間は終わりを告げました。このことは少しでも早く、会員のみなさまにお伝えしたいとその場から商工会議所事務局に電話で無理は承知で10月会報に掲載をお願いしました。
本当は2007年発行の「実測 日本の地域力」を読んで頂き、さらには今年の年末に出版予定のご本を読んでいただく方が正しく理解していただけると思いますが、日本のエコノミストやメデイアが常識的に日本の「少子、高齢化」こそが経済衰退、消費低迷の元凶であると声高に主張していることに対して、「藻谷さんの眼からうろこ」は「生産年齢人口の推移」こそが先行指標であり、「現役世代の減少は単に労働力の減少だけでなく、消費者数の減少」に繋がるということです。
結果、日本では国内小売り販売額の減少は既に1996年から始まっています。マクロ経済指標は回復し総輸出額は既にバブル時期をはるかに越える80兆円を超え、世界からの金利およびロイヤリテイは16兆円{日本の全食糧費は15兆円}を超えているのに消費意欲は依然として凍り付いているのです。
売れるものは何か!?
子供たちや若年層と高齢者の双方を同時に刺激する「物」「サービス」「高機能」「値頃感」「あこがれ」の創出でしょうか。
例えばユニクロのヒートテック、任天堂のウイー、デイズニーシー、フェアレディZ、そして日本は最高の消費モデル発見の場であり、先行する年令構造はアジア全域にそして世界に「売って出る」開発の拠点であると言ってもよいでしょう。
お聞きした中で、まだまだお伝えしたいことはたくさんあります。データや現場発の理論、大都会の危機、中国の一人っ子政策は生産人口を45%も急減させていること、我が国の平均相続年令は67歳であること、最後にはシンガポールの国父、リー・クワンユー顧問相の国民への年頭演説の内容、そして現在のリー・シェンロン首相の施政演説の「熱く、真実」を国民に伝えようとするリーダーの姿等々。
藻谷さんとの四方八方に飛びながらの議論は、日本に欠けているのは国益、国論をまとめうるリーダーへの渇望、そしてテレビを消していったんメディアから離れ、一人で、家族で、仲間で目の前の小事でなく大事を語り、今の目の前の自分の欲は子孫につけを回す事になるものと自覚し、すでに日本の860兆円に膨れ上がった借金を子供達に払わせようとしている自分たちの「罪」を忘れないことにも及びました。
また藻谷さんに会いにシンガポールに直ぐにでも行きたい、そして共に旅をし45歳の気鋭の分析を学ばせて貰いたいと66歳ながら願っています。
藻谷さん ありがとうございました。



